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 この前の「Pied Piper Days Vol.33」@ケンウッドスクエア・丸の内では時間がなくてご紹介できなかったのですが、最近手に入れた音楽DVDの中でも気に入っているのがこの『PROCOL HARUM IN CONCERT WITH THE DANISH NATIONAL CONCERT ORCHESTRA & CHOIR』(eagle vision/EV 30275-9)。輸入盤オンリーですが、リージョン・フリーでちゃんと日本の器機でも再生できます(当初リリースされたものはリージョン1でしたが、最近リージョン・フリーのものが発売され、現在輸入盤店に並んでいます。また同じライヴを収録したCDも発売中)。

 このDVDは、2006年8月20日にデンマークのLedreborg Castleで行われた、プロコル・ハルムのライヴの模様を収録したもので、とにかく広い庭園で行われ、観客は12,000人を超えるという大規模なもの。

会場はここ↓
http://www.ledreborg-slot.dk/

 プロコル・ハルムと言っても、初期の名曲「青い影(A WHITER SHADE OF PALE)」やアルバム『ソルティ・ドッグ』の頃のオリジナル・メンバーはゲイリー・ブルッカー(と作詞のキース・リード)だけで、もちろんギターのロビン・トロワーや、一時復帰していたオルガンのマシュー・フィッシャーは脱退しており、このライヴでその姿を見ることが出来ない。しかし、それを差し引いても、プロコル・ハルムが本来持つ勇壮な様式美に支えられたブリティッシュ・ロックの奥深さを、本作で十分楽しむことが出来るのです。そして何より、背後で演奏を支える大人数のオーケストラとコーラス隊、これがプロコル・ハルムの名曲をより引き立て、本来楽曲が持つ世界観を色鮮やかに甦らせることに成功しています。広大な庭園の中に響くはゲイリー・ブルッカーの歌声は衰えるどころか昔のままで、これを見るだけでも価値があるというもの。そして選曲もいつになくファン・サーヴィス的な、まさにベストとも言えるもので、意外と過去のライヴでは見かけなかった「青い影」や、「A SOLTY DOG」「GRAND HOTEL」「HONBURG」「SIMPLE SISTER」「CONQUISTADOR」といった代表曲も演奏されているのは嬉しい限り。しかもDVDのボーナス映像として、1974年のTV番組出演時のスタジオ・ライヴ映像が追加されているのも嬉しいところ!収録曲は以下の通りです。

01:Grand Hotel
02:Something Magic
03:Butterfly Boys
04:Homburg
05:The VIP Room
06:Fires(Which Burnt Brightly)
07:Nothing But The Truth
08:Into The Flood
09:Simple Sister
10:A Salty Dog
11:An Old English Dream
12:Sympathy For The Hard Of Hearing
13:A Whiter Shade Of Pale
(アンコール)
14:Whaling Stories
15:Conquistador
■メンバー
Gary Brooker (Piano and Vocals)
Josh Phillips(Hammond Organ)
Geoff Whitehorn(Guitar and Vocals)
Mark Brzezicki(Drums and Vocals)
Matt Pegg(Bass and Vocals)

(ボーナス映像/1974 TV SPECIAL)
01:Bringing Home The Bacon
02:Toujours L'Amour
03:Grand Hotel
04:The Devil Came From Kansas
05:The Idol
06:Butterfly Boys
■メンバー
Gary Brooker (Piano and Vocals)
Chris Copping(Hammond Organ)
Mick Grabham(Guitar and Vocals)
B.J. Wilson(Drums)
Alan Cartwright(Bass and Vocals)

 この規模で最近もコンサートが行える、ということはそれなりの数のファンが今なお健在ということであり、同時に彼らが60年代後半から続けてきた活動とそこから生まれた作品たちが現在でもヨーロッパでは支持され続けている、ということをこのDVDは物語っています。まるで若者のように嬉しそうに耳を傾けるかつてのファンや、当時のことはタイムリーには全く知らない若い世代までもが一緒になって作り上げるライヴ、その光景はまさに理想的なものとして僕の瞳に映りました。2003年にロンドンのユニオン・チャペルで行われたライヴを収録した素晴らしいDVD『ライヴ・アット・ザ・ユニオン・チャペル』が以前日本でもビデオアーツからリリースされましたが(このライヴには、マシュー・フィッシャーも参加し、教会独特の荘厳な雰囲気の中で演奏された「青い影」のロング・ヴァージョンも見ることが出来ます)、この野外ライヴを収めた『PROCOL HARUM IN CONCERT WITH THE DANISH NATIONAL CONCERT ORCHESTRA & CHOIR』も、それとはまた違って開放感溢れる素敵な1枚です。特に大人数のオーケストラやコーラスをバックにした圧巻の演奏では、元々ゲイリー・ブルッカー達が実現したかったクラシックとロックとの融合が具現化されていて、ファンとしては嬉しくなります。

 僕がプロコル・ハルムと出会ったのは1980年代の中盤、当時放送されていた山下達郎さんのNHK FM「SOUND STREET」でのことでした。その時達郎さんは「僕が今まで聴いてきた多くの曲の中で、一番影響を受けた3曲の中の1曲をかけます」と言ってオン・エアーしてくれたのが「青い影」でした。当時、高校生だった僕は洋楽を本格的に聴き始めたばかりで、これを聴いて「何て美しい曲があるんだ」と驚いたことを覚えています。と同時に、当時大好きでよく聴いていたユーミンの初期の曲やTULIPなどが、この時に感覚的に一本の線で結ばれました。すぐに週末に渋谷のタワーレコードへ行き、プロコル・ハルムのアナログ・ベスト『PROCOL HARUM THE COLLECTION』(英Castle盤/製造は西ドイツ)を購入、ここからプロコル・ハルムとの長い付き合いが始まりました。それからはこれを繰り返し聴きながら、日本のロックやポップスにどれだけ彼らの影響が大きかったのか、を検証する毎日。それまで好きで聴いてきたはっぴいえんどや荒井由実、キャラメル・ママ、TULIPなどのアレンジの中にプロコル・ハルムの影響を感じ取っては、それを裏付ける当時の音楽誌などの記事を紐解く作業が始まりました。松本隆さんの『風のくわるてっと』を読み、ユーミンの「翳りゆく部屋」や『ひこうき雲』を徹底的に聴き…。
 当時はちょうどはっぴいえんどの再結成(1985年6月15日@国立競技場)もあったため、彼らの音楽性やその歴史的背景などに触れた記事やラジオ番組があったことも幸いし、かなり多くの収穫を得ることができました。これがその後の僕の仕事に役立つとは、当時は全く思ってもみませんでしたが、今振り返るとこのプロコル・ハルムを介した一連のルーツ確認行動が、僕にとっての活動の原点の1つ、とも言えたりするのです。
 だから後年、松本さんにお会いして共にプロコル・ハルム話をした時は、この上ない喜びを感じました。

 あれから20数年が経ちましたが、プロコル・ハルムを聴くたびに僕の中には高校生の頃のあの感覚が再び目を覚ますのです。
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